なぜ「支払った日」と「引き落とし日」がズレるのか

クレジットカードで買い物をすると、実際に口座からお金が減るのは購入した日ではなく、後日まとめて引き落とされる日になります。単式簿記の家計簿アプリでは、この「支払った日」と「口座から引き落とされた日」のどちらか片方しか記録できないため、カードの利用額と口座残高の対応がわかりにくくなりがちです。

複式簿記では、このズレそのものを「未払金」という負債の勘定科目で記録します。カードを使った時点で「あとで支払う義務」が発生したと考え、実際に引き落とされた時点でその義務が消えたと考えるのです。

未払金という負債で「ズレ」を記録する

簿記でいう負債とは「将来、お金や物を渡す義務」のことです。クレジットカードで買い物をすると、お店への支払いはカード会社が立て替えてくれますが、そのカード会社への支払い義務が自分に残ります。これが未払金です。

つまりクレジットカード払いの取引は、次の2つの仕訳に分けて考えます。

  1. 買い物をした日:費用(または資産)が発生し、同時に未払金という負債が増える
  2. 口座から引き落とされた日:未払金という負債が減り、同時に現金・預金という資産が減る

具体的な仕訳例

例:スーパーで食費8,000円をクレジットカードで支払った

日付借方金額貸方金額
購入日食費8,000円未払金8,000円
引き落とし日未払金8,000円普通預金8,000円

購入日の仕訳では「食費という費用が8,000円発生した」ことと「未払金という負債が8,000円増えた」ことを記録します。この時点ではまだ口座からお金は減っていません。引き落とし日になったら、「未払金という負債が8,000円減った」ことと「普通預金という資産が8,000円減った」ことを記録し、義務が果たされたことを表します。

もし同じ買い物を現金で支払った場合は、次の1回の仕訳だけで完結します。

借方金額貸方金額
食費8,000円現金8,000円

現金払いは資産(現金)が直接減るだけの取引ですが、カード払いは未払金という負債を一度経由する2段階の取引になる、という違いを押さえておくと理解しやすくなります。

この考え方が家計管理に役立つ理由

未払金を記録すると、貸借対照表(家計の資産・負債一覧)を見るだけで「まだ口座から引き落とされていないカード利用額」がいくら残っているかを常に把握できます。単式簿記の家計簿アプリでカードの利用額を管理しようとすると、明細を別途確認するか、支払い予定額をメモしておく必要がありますが、複式簿記であれば未払金の残高がそのまま「今後の引き落とし予定額」を示してくれます。

ここまでの内容を、実際にBokiBookで仕訳してみましょう。

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BokiBookでは、クレジットカードを負債の口座として登録しておくことで、カード払いの2段階の仕訳を意識せずに記録できます。買い物をした際は、取引入力画面で借方に「食費」などの費用科目、貸方に登録済みのクレジットカードを選んで金額を入力するだけで、自動的に未払金(負債)が増える仕訳として記録されます。

後日、実際に口座から引き落とされた際は、その引き落とし取引を登録するだけで、クレジットカードの負債残高が減り、普通預金の残高が減る仕訳が記録されます。貸借対照表の画面を開けば、まだ引き落とされていないカード利用額がいくら残っているかを、いつでもひと目で確認できます。