貸借対照表とは何か

簿記3級で必ず登場する「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう、B/S)」は、ある時点での財政状態、つまり「何をどれだけ持っていて、どれだけ借りているか」を一覧にした表です。よく「会社の健康診断書」と呼ばれますが、これは家計にもそのまま当てはまります。毎月の収支(損益計算書が表す部分)だけを見ていても、貯金が増えているのか、実は借金の方が増えているのかまではわかりません。貸借対照表を作ると、この「体全体の状態」が一目でわかるようになります。

貸借対照表は、左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」を並べて作ります。そして、次の関係が必ず成り立ちます。

資産 = 負債 + 純資産

資産は「持っているもの」(現金・預金・NISAなどの投資・車や家などの固定資産)、負債は「返す義務があるもの」(住宅ローン・クレジットカードの未払金)、純資産は資産から負債を差し引いた「正味の財産」です。この純資産こそが、いわば家計の"体力"にあたります。

単式簿記の家計簿ではわからないこと

単式簿記(収入・支出だけを記録する一般的な家計簿)は「今月いくら使ったか」はわかりますが、「今どれだけ資産があり、どれだけ負債があるか」は別途集計しないとわかりません。複式簿記で日々の取引を記帳していると、貸借対照表は自動的にでき上がるため、常に家計全体の財政状態を把握できるのが大きな違いです。

家庭の取引を貸借対照表の視点で仕訳してみる

貸借対照表に載る「資産」や「負債」が、日々の取引でどう動くのかを具体例で見てみましょう。

例1:住宅ローンを組んでマイホームを購入した(頭金500万円・借入2,500万円)

借方金額貸方金額
建物・土地3,000万円普通預金500万円
住宅ローン2,500万円

「建物・土地」という資産が増え、その調達源として「普通預金(資産の減少)」と「住宅ローン(負債の増加)」がそれぞれ対応します。貸借対照表上では、資産側に建物・土地が3,000万円、負債側に住宅ローン2,500万円が計上され、差額の500万円分だけ純資産が増える形になります。

例2:クレジットカードで10万円の買い物をした(引き落とし前)

借方金額貸方金額
(費用科目)10万円未払金10万円

「未払金」は負債です。カードで買い物をした瞬間から引き落とし日までの間、負債が増えている状態が貸借対照表に反映されます。単式簿記の家計簿では見落としがちな「まだ払っていないけれど確定している支払い」が、貸借対照表を見ればすぐにわかります。

例3:NISA口座で投資信託を30,000円分購入した

借方金額貸方金額
投資有価証券30,000円普通預金30,000円

これは資産の中身が「預金」から「投資有価証券」に入れ替わっただけの取引です。純資産の額自体は変わりませんが、貸借対照表上の資産の内訳が変化する点が特徴です。こうした「資産の組み替え」を記録できるのも、複式簿記ならではのメリットです。

貸借対照表を読むときのポイント

貸借対照表を家計の健康診断書として読むときは、次の2点を意識すると全体像がつかみやすくなります。

ここまでの内容を、実際にBokiBookで仕訳してみましょう。

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BokiBookでは、住宅ローンやクレジットカードの未払金といった負債科目、預金やNISA口座などの資産科目をあらかじめ登録しておくと、日々の取引を入力するだけで貸借対照表(B/S)画面が自動的に更新されます。集計作業は一切不要で、いつでも「今の資産・負債・純資産」を確認できます。

特に住宅ローンやカードの未払金のように、単式簿記の家計簿では見えにくい負債も、貸借対照表画面には常に反映されるため、「気づいたら負債が増えていた」という事態を防ぎやすくなります。まずは今お持ちの預金口座やローンを資産・負債として登録し、貸借対照表がどう変化するかを実際に確認してみることをおすすめします。