車や家電のような高額な買い物を家計簿にそのまま支出として記録すると、買った月だけ家計が大きく赤字に見えてしまいます。BokiBookの固定資産台帳を使えば、こうした資産を複数年にわたって少しずつ費用化する減価償却の仕訳を自動で計上できます。登録の手順から、定額法と定率法の選び方、直接法と間接法の違いまで、具体的な金額で解説します。

家計簿で「固定資産」を管理する意味

1,800,000円のコンパクトカーを現金一括で購入したとします。この支出を家計簿にそのまま記録すると、購入した月だけ年収の何か月分もの赤字を記録することになり、翌月以降は車の分だけ支出が減って不自然に黒字が続く、というでこぼこした収支になります。実際には車という価値のあるものを手に入れただけで、家計全体の財産が減ったわけではありません。

簿記では、こうした資産を購入した瞬間に全額を費用にするのではなく、いったん固定資産として貸借対照表に資産計上し、実際に使う期間にわたって少しずつ費用に振り替えていきます。これが減価償却です。使う期間の目安は「耐用年数」と呼ばれ、国税庁の耐用年数表では普通車が6年、軽自動車が4年、パソコンが4年といった数字が定められています。BokiBookには固定資産台帳と、決算のタイミングで減価償却費をまとめて自動計上する機能が搭載されており、家計簿アプリとしては珍しく、この処理を簿記のルールに沿って行えます。

固定資産を登録する手順

固定資産を管理するには、設定画面の固定資産台帳&自動仕訳設定を開きます。ここでは先ほどの1,800,000円のコンパクトカーを例に、実際の登録手順を数字つきで見ていきます。

  1. 「資産を登録」ボタンをタップします。
  2. 資産名を入力します。今回は「コンパクトカー」とします。
  3. 取得日と取得価額を入力します。取得日を2026年4月1日、取得価額を1,800,000円とします。
  4. 耐用年数を入力します。普通車の目安である6年を入力します。
  5. 償却方法を選びます。毎年ほぼ同じ金額ずつ費用化する定額法と、初年度に多く費用化する200%定率法から選べます。
  6. 記帳方法を選びます。資産の帳簿価額を直接減らしていく直接法と、減価償却累計額という科目で間接的に減らしていく間接法から選べます。

登録が完了すると、資産一覧に「償却中・定額法・間接法」のように選んだ組み合わせがバッジ表示されます。

過去に買った資産を今から登録する場合

数年前に購入した車を、今からBokiBookに登録することもできます。取得日を過去の日付で入力すると、その時点から現在までに本来計上されているはずの減価償却額が自動で計算され、登録前の画面に既償却額と現在の帳簿価額のプレビューが表示されます。上のコンパクトカーの例で、取得から3年が経過した時点で登録した場合、定額法なら既償却額はおよそ899,997円、現在の帳簿価額はおよそ900,003円という数字がプレビューに出ます。ゼロから記帳を始める場合でも、資産の状態を正しい金額から出発させられます。

どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

買った月に全額を費用にしないのがポイントだよ。資産として登録し、耐用年数にわたって少しずつ費用化するのが減価償却の考え方なんだ。途中から登録する場合も、経過年数分の償却額を自動計算してくれるから、ゼロからでも正しい帳簿価額で家計簿を始められるよ。

定額法と200%定率法、どちらを選ぶか

先ほど登録した1,800,000円、耐用年数6年のコンパクトカーを例に、2つの償却方法で費用計上額がどう変わるか比較します。

定額法は、取得価額から備忘価額1円を差し引いた金額を耐用年数で均等に割ります。今回の例では1,800,000円から1円を引いた1,799,999円を6年で割るので、毎年299,999円がほぼ同じ金額で費用計上されます。

200%定率法は、耐用年数から求めた償却率を、その時点の帳簿価額に毎年かけていきます。耐用年数6年の場合、償却率は1を6で割って2倍したおよそ33.3%です。初年度は取得価額1,800,000円に33.3%をかけた600,000円、2年目は初年度の減価償却後に残った帳簿価額1,200,000円に33.3%をかけた400,000円というように、初年度ほど多く、年を追うごとに少なくなっていきます。

初年度の決算整理仕訳(定額法・間接法の場合)
借方金額貸方金額
減価償却費299,999円減価償却累計額299,999円
初年度の決算整理仕訳(200%定率法・間接法の場合)
借方金額貸方金額
減価償却費600,000円減価償却累計額600,000円

どちらを選ぶかは、家計の実感に近い方を選ぶとよいでしょう。車や家電は買った直後に価値が大きく下がると感じるなら定率法、毎年一定額を積み立てるように費用化したいなら定額法が向いています。BokiBookでは資産ごとに個別に方法を選べるので、車は定率法、パソコンは定額法というように使い分けても構いません。

どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

定率法は初年度に多く、後半になるほど少なく費用化されるよ。定額法は毎年ほぼ同じ金額。買った直後の値落ちを大きく反映したいか、毎年一定額にしたいかで選ぶといいよ。

減価償却仕訳を自動で計上する

固定資産を登録した後は、毎月手作業で仕訳を入力する必要はありません。決算整理のタイミングで、登録済みの資産すべての減価償却仕訳がまとめて自動生成されます。耐用年数の最後の年には、帳簿価額が0円ではなく備忘価額の1円になるよう自動で調整されるので、資産が完全になくなったのか、まだ手元に残っているのかを帳簿上でも区別できます。

BokiBookの固定資産台帳。定額法と200%定率法の資産が並んでいる
固定資産台帳です。定額法のコンパクトカーと200%定率法のノートパソコンが並び、それぞれの帳簿価格と月々の償却額が表示されます。償却方法が違っても同じ一覧で管理できます。

記帳方法によって、貸方の相手科目が変わります。間接法なら減価償却累計額という資産のマイナス科目に貸方が立ち、貸借対照表には取得価額1,800,000円と減価償却累計額299,999円の両方が表示されます。直接法なら車両運搬具という資産科目そのものが貸方で減っていき、貸借対照表には残りの帳簿価額1,500,001円だけが表示されます。

初年度の決算整理仕訳(定額法・直接法の場合)
借方金額貸方金額
減価償却費299,999円車両運搬具299,999円

この記帳方法の選択が、実はこの機能でいちばん判断が分かれるところです。間接法を選んでおくと、貸借対照表を見ればいくらで買った資産が、今どれだけ償却済みなのかが一目で分かります。直接法は表示がシンプルになる一方、取得価額そのものは帳簿上から消えていきます。車の買い替え時期を資産価値の推移で判断したいなら間接法、貸借対照表をできるだけシンプルに保ちたいなら直接法という基準で選ぶとよいでしょう。この設定はあとから変更すると過去の仕訳との整合性が崩れやすいため、登録前にどちらにするか決めておくことをおすすめします。

どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

間接法なら取得価額と減価償却累計額の両方が貸借対照表に残るから、あと何年でいくら償却されるか追いやすいよ。直接法は表示がシンプルになる代わりに、取得価額そのものは見えなくなる。あとから変えにくい設定だから、登録前にどちらが自分に合うか決めておこう。

この機能は無料プランからすぐに試せます。

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固定資産管理を家計に取り入れるメリット

固定資産台帳をつけておくと、貸借対照表に車やパソコンなどの資産が、実際の価値に近い金額で表示されるようになります。買った瞬間に全額が支出として消えてしまうのではなく、資産として家計の中に残り続け、使うにつれて少しずつ価値が減っていく様子を数字で追えるのが、簿記ならではの視点です。

BokiBookの各種設定画面には、固定費の自動仕訳スケジューラーとこの固定資産台帳のカードが並んでいます。どちらも一度設定すれば、以降は決算のタイミングで自動的に仕訳が計上される機能です。

BokiBookの各種設定画面。固定費の自動仕訳スケジューラーと、固定資産台帳・自動減価償却のカードが並んでいる
各種設定画面の中段です。固定費の自動仕訳スケジューラーのすぐ下に、固定資産台帳と自動減価償却のカードが並んでいます。家賃のような毎月固定の支出と、車のような数年単位で費用化する資産管理が、同じ画面から一括で設定できます。

まずは今お使いの車やパソコンなど、身近な資産を1つ登録することから試してみてください。取得価額と耐用年数さえ分かれば、5分もかからずに設定できます。

どんぐり
どんぐりのまとめ

固定資産台帳に登録さえしておけば、あとは決算整理のタイミングで減価償却費が自動計算されるよ。定額法か定率法か、直接法か間接法か、最初の設定だけ家計の実感に合わせて選んでおけば、毎年の手入力から解放されるんだ。