BokiBookを使い始めるとき、実は登録の手続きそのものより大事な作業があります。それが「開始仕訳」です。ここでの入力ひとつで、その後何年分もの総勘定元帳・損益計算書・貸借対照表の数字が正しくなるかどうかが決まります。登録の手順に加えて、開始仕訳で判断が分かれやすい保有資産の記録方法まで、具体的な金額で解説します。

登録より先に「開始仕訳」の意味を理解しておく

簿記の家計簿では、記録を始めた日にすでに持っている現金や預金、投資信託などの資産、そしてクレジットカードの未払金のような負債を、最初の1件の仕訳としてまとめて登録します。これが開始仕訳です。

開始仕訳を入力せずに日々の仕訳だけを積み重ねると、貸借対照表の資産合計は登録後に増えた分しか表示されず、実際に持っている資産と大きくズレた数字になります。半年、1年と記録を続けた後にズレに気づいても、開始仕訳の日付まで遡ってやり直すのは手間がかかります。だからこそ、最初にきちんと設定しておくことが重要です。

どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

開始仕訳を飛ばして日々の記録だけ始めると、貸借対照表の数字は登録後に増えた分だけになってしまうんだよ。今持っている現金や預金、投資信託まで全部含めて、最初の1件でまとめて登録しておくことが大事だよ。

STEP1:アカウントを登録する

アプリを開くとログイン画面が表示されます。Googleアカウント、Appleアカウント、またはメールアドレスとパスワードのいずれかで新規登録できます。メールアドレスで登録する場合は「メールアドレスで新規登録」を選びます。表示名は空欄のままでも登録できるので、メールアドレスと6文字以上のパスワードを入力して「無料で登録する」をタップします。登録は無料で行えます。どの方法で登録しても、あとから記録する仕訳の内容や機能に差はありません。

STEP2:利用規約に同意する

初回ログイン後、利用規約とプライバシーポリシーへの同意を求めるダイアログが表示されます。内容を確認してチェックを入れると、続けて開始仕訳の設定画面に進みます。ここで同意しないと先に進めないため、内容に目を通しておきましょう。

STEP3:開始仕訳を設定する

開始仕訳の設定画面では、作成方法として次の3つの選択肢が表示されます。手元にある資産の種類によって、選ぶべき方法が変わります。

方法1:ガイドに従って入力する

もっとも手軽な方法で、迷ったらこちらを選ぶのがおすすめです。次の手順で進めます。

  1. 「今すぐガイドに従って入力」を選びます。
  2. 「仕訳日付」をタップし、開始仕訳を切る日を選びます。特にこだわりがなければ、アプリを使い始める今日の日付のままで問題ありません。
  3. 「手元の現金残高」「普通預金の合計残高」「クレジット未払金の残高」を、それぞれ現時点の金額で入力します。該当するものがなければ空欄のままで構いません。
  4. 「開始仕訳を作成」をタップすると、開始仕訳が自動で登録されます。

例えば、現金5万円、普通預金80万円、クレジット未払金3万円を入力すると、次のような仕訳が自動で作られます。

ガイド入力で作成される開始仕訳の例
借方金額貸方金額
現金50,000円クレジット未払金30,000円
普通預金800,000円元入金820,000円

資産と負債の差額820,000円は自動的に「元入金」という科目で計上されます。元入金は簿記における資本金にあたる科目で、今の自分がどれだけの純資産を持ってスタートするかを表し、貸借を一致させるために必要な仕組みです。計算方法を覚えている必要はなく、現金・預金・クレジット残高さえ入力すれば、差額の計算はアプリが行います。

方法2:すべて自分で手動入力する

証券口座の投資信託など、ガイド入力の3項目に含まれない資産から開始仕訳を組み立てたい場合は、「すべて自分で手動入力する」を選びます。この場合はガイド画面を経由せず、仕訳入力画面から自分で開始仕訳を登録する形になります。ここで判断が分かれやすいのが、すでに保有している投資信託や株式を、どの金額で計上するかという点です。

例えば、NISA口座で400,000円で購入した投資信託が、記録を始める今の時点では450,000円に値上がりしているとします。開始仕訳にはどちらの金額を使うべきでしょうか。簿記の原則は、資産を取得したときの金額で記録する取得原価主義です。つまり、今の評価額450,000円ではなく、買ったときの400,000円で計上します。

手動入力で投資信託を開始仕訳に計上する例
借方金額貸方金額
有価証券400,000円元入金400,000円

値上がりした50,000円をここで一緒に資産に混ぜてしまうと、後で実際に売却したときにいくら儲かったのかが正確に分からなくなります。買ったときの金額を基準にしておけば、売却時の受取金額との差額がそのまま利益として計算でき、記録の筋が通ります。

どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

開始仕訳に投資信託を計上するときは、今の評価額ではなく買ったときの金額で記録するのが原則だよ。値上がり分をここで混ぜてしまうと、あとで本当にいくら儲かったのか分からなくなるんだ。

方法3:あとで設定する

「あとで残高を設定する」を選ぶと、開始仕訳の作成をスキップしてすぐにアプリの利用を始められます。未設定の間は画面上部に案内バナーが表示され続けるので、「開始仕訳を設定」ボタンからいつでもガイド画面を呼び出せます。ただし、日々の仕訳を先に登録してしまうと、後から開始仕訳を追加した時点で貸借対照表の数値が一気に変わるので、可能であれば最初に済ませておくほうが記録を追いやすくなります。

車やパソコンなどの固定資産をお持ちの場合

車やパソコンのように、使用する期間に応じて価値が少しずつ減っていく固定資産は、開始仕訳のガイド入力の3項目には含まれません。設定画面の固定資産台帳から個別に登録します。

例えば、3年前に2,000,000円で購入した車を、耐用年数6年の前提で登録すると、これまでの3年分の減価償却累計額1,000,000円が自動計算され、開始時点の帳簿価額1,000,000円が資産として計上されます。

固定資産台帳に3年前購入の車を登録したときの仕訳例
借方金額貸方金額
車両2,000,000円車両減価償却累計額1,000,000円
元入金1,000,000円

取得日や取得価額を入力するだけで、これまでの経過期間分の減価償却累計額を自動計算したうえで登録できます。この機能はProプラン限定です。

BokiBookの設定画面。固定資産台帳・自動減価償却のカードが表示されている
設定画面の中段にある固定資産台帳・自動減価償却のカードです。ここから車やパソコンを登録すると、取得日から今日までの減価償却累計額が自動で計算されます。買ったときの金額をそのまま資産に載せてしまうと、実際にはもう価値が減っている分まで過大に見えてしまうため、この自動計算が役立ちます。
どんぐり先生
どんぐり先生のまとめ

車やパソコンを開始仕訳に載せるときは、買ったときの金額そのままではなく、今の帳簿価額で計上するのが正しいんだよ。減価償却累計額を差し引いた後の金額を使うことで、資産の見え方が実態に近くなるんだ。

ここまでの内容を、実際にBokiBookで試してみましょう。

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STEP4:日々の仕訳をつけ始める

開始仕訳の設定が終わったら、あとは日々の買い物や収入を記録していくだけです。仕訳入力画面から自分で科目を選んで登録する方法のほか、AIチャットに「スーパーで2500円使った」のように話しかけるだけで仕訳案を作ってもらう方法もあります。詳しい使い方はAIチャットで仕訳をつける方法の記事で紹介しています。

BokiBookの仕訳入力画面。借方と貸方に勘定科目と金額を入力する
日々の仕訳もこの画面から入力します。借方と貸方の金額が一致するまで登録ボタンが押せない仕組みなので、開始仕訳のときに覚えた考え方が、そのまま毎日の入力にも使えます。

記録が積み上がってくると、総勘定元帳・損益計算書・貸借対照表の各画面で、家計の状態を簿記の形でいつでも確認できるようになります。使い方の詳細は貸借対照表・損益計算書レポートの見方の記事も参考にしてください。

どんぐり
どんぐりのまとめ

開始仕訳は最初の1回だけ丁寧にやれば十分だよ。現金や預金、投資信託、車のような固定資産まで、今持っているものを取得したときの金額で並べておけば、その後は日々の仕訳を積み重ねるだけで家計の記録が正しく育っていくよ。