「値上がりした」だけではまだ利益になっていない

ビットコインなどの暗号資産を保有していると、「今いくらになっているか」が気になって、価格が上がっただけで家計が黒字になったような気分になりがちです。しかし複式簿記の考え方では、保有している暗号資産の時価が上がっても、それだけでは家計簿上の「利益」にはなりません。実際に売却して日本円などに換えたときにはじめて、損益として確定します。

この「持っているだけの値上がり(含み益)」と「売って初めて確定する利益(実現損益)」を区別する感覚は、簿記3級の学習内容そのものです。暗号資産を家計に取り入れている人ほど、この違いを整理しておくと、資産の増減と実際のお金の動きを混同せずに家計を管理できます。

暗号資産は「資産」科目、値動きだけでは仕訳しない

複式簿記では、保有している暗号資産は現金や預金と同じ「資産」に分類します。ポイントは、購入時に支払った金額(取得原価)で資産として記録し、その後の時価の変動は日々の仕訳には反映しないことです。取引所の画面に表示される評価額が値上がりしても、それは家計簿の帳簿上ではまだ動きのない「含み益」であり、実際に売却するまでは仕訳を起こしません。

家庭の取引を暗号資産の視点で仕訳してみる

普通預金から10万円で暗号資産を購入し、しばらく保有した後、15万円で売却したケースで考えてみます。

例1:普通預金から10万円分の暗号資産を購入した

借方金額貸方金額
暗号資産100,000円普通預金100,000円

購入した時点では、資産の保管場所が普通預金から暗号資産に移っただけです。何かを消費したわけではないので、費用は発生しません。

例2:保有中に時価が20万円に値上がりした(含み益の状態)

この時点では仕訳をしません。帳簿上の暗号資産の金額は、購入時の10万円のままです。取引所アプリで見える20万円という評価額は「含み益」であり、まだ家計の実現した利益ではないため、複式簿記では動かしません。

例3:15万円で売却し、普通預金に入金された

借方金額貸方金額
普通預金150,000円暗号資産100,000円
暗号資産売却益50,000円

売却して現金化したこの瞬間に、取得原価10万円と売却額15万円の差額である5万円が「暗号資産売却益」という収益として確定します。NISA投資の仕訳と同じく、値上がりそのものではなく「売却」という行為がトリガーとなって損益が発生する点が共通しています。

含み益と実現損益を分けて記録するメリット

ここまでの内容を、実際にBokiBookで仕訳してみましょう。

🌱 無料登録して使ってみる ➔

BokiBookで暗号資産の取引を管理する

BokiBookでは、暗号資産を「投資」グループの資産として登録し、取得原価で残高を管理できます。AIチャット仕訳機能に「普通預金から10万円分の暗号資産を買った」「暗号資産を15万円で売却して普通預金に入金された」のように話しかけるだけで、取得原価と売却額の差額を自動で計算し、売却益・売却損の仕訳案を提案してくれます。

貸借対照表・損益計算書レポートを見れば、暗号資産の帳簿上の残高(取得原価ベース)と、これまでに確定した売却損益の合計を、あとから振り返って確認できます。含み益に惑わされず、実際に家計に反映された利益だけを把握できるのが複式簿記のメリットです。