未払費用とは何か

簿記3級で学ぶ「未払費用(みばらいひよう)」は、すでにサービスの提供を受け終えているのに、まだお金を支払っていないときに使う負債科目です。前払費用と同じ「経過勘定」の仲間で、サービスを受け取るタイミングと、実際にお金を支払うタイミングがズレる取引を、複式簿記で正しく扱うためのしくみです。

家計でいちばんイメージしやすいのは、電気・ガス・水道といった水道光熱費です。多くの家庭では、月末に1ヶ月分の使用量を検針・確定してから請求書が届き、実際の口座引き落としはさらに翌月にずれ込みます。たとえば8月中に使った電気を8月31日時点で「もう使い終えている」のに、実際にお金が口座から引き落とされるのは9月20日、というようなケースです。この「使い終えたのに、まだ払っていない」8月31日時点の状態を表すのが未払費用です。

未払金とはどう違うのか

ここで簿記3級の学習者がよくつまずくのが、よく似た名前の「未払金」との違いです。どちらも「まだ支払っていない」負債科目という点は共通していますが、区別のポイントは次の1点に尽きます。

つまり「もう金額が固まった請求書がある」なら未払金、「まだ請求書は届いていないが、使った分は確実にある」なら未払費用、と覚えると区別しやすくなります。

家庭の取引を未払費用の視点で仕訳してみる

8月分の電気代8,800円について、月末時点でまだ請求書が届いていない状態から、実際に口座から引き落とされるまでの流れを見てみましょう。

例1:8月31日、8月分として使用した電気代8,800円を未払費用として見積計上する

借方金額貸方金額
水道光熱費8,800円未払費用8,800円

まだ請求書も届いておらず、口座からも引き落とされていませんが、8月中に電気を使ったという事実(費用の発生)はすでにあります。そこで見積もった金額で費用を計上し、相手科目として「未払費用」という負債を立てておきます。こうすることで、8月分の損益計算書に電気代がきちんと反映されます。

例2:9月20日、確定した電気代8,800円が口座から引き落とされた

借方金額貸方金額
未払費用8,800円普通預金8,800円

実際に引き落としが行われた9月20日には、8月末に立てておいた未払費用を取り崩すだけで、水道光熱費という費用科目は動きません。すでに8月分として費用計上済みだからです。もし未払費用を使わず「引き落とされた月にまとめて費用にする」処理をしていると、8月に使った電気代が9月の損益計算書に混ざり込み、月ごとの収支がぼやけてしまいます。

未払費用を使うメリット

ここまでの内容を、実際にBokiBookで仕訳してみましょう。

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BokiBookで未払費用を管理する

BokiBookでは、家計簿アプリではあまり見かけない「未払費用」や「未払金」といった負債科目も、勘定科目の管理画面から自由に追加できます。月末時点でまだ請求書が届いていない水道光熱費は見積金額で未払費用として計上し、実際に引き落とされたタイミングで未払費用を取り崩す仕訳を入力すれば、月ごとの損益計算書が実態に沿った数字になります。

逆に、クレジットカードのようにすでに金額が確定している支払いは未払金として管理し、水道光熱費のように金額未確定の継続的なサービス利用は未払費用として管理する、と使い分けることで、家計の「まだ払っていないお金」を性質ごとに正確に把握できます。