精算表とは?決算の一連の流れを1枚の表にまとめたもの

試算表で借方合計と貸方合計が一致していることを確認できたら、決算はそれで終わりではありません。試算表の数字には、まだ「決算整理」と呼ばれる調整が反映されていないからです。たとえば車の減価償却費や、年払いした保険料のうち翌期分といった調整を加えたうえで、最終的に貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を完成させる必要があります。

この「試算表 → 決算整理仕訳 → 貸借対照表・損益計算書」という一連の流れを、1枚の表の中で左から右へ計算しながらつなげていくのが精算表(せいさんひょう)です。簿記3級でよく出てくる精算表は、勘定科目欄の右側に「試算表」「修正記入」「損益計算書」「貸借対照表」という4つの欄(借方・貸方それぞれ2列ずつで計8列)が並ぶことから「8桁精算表」とも呼ばれます。

精算表を作る手順は、実はシンプルです。①試算表欄に各科目の残高を転記する、②修正記入欄に決算整理仕訳を書き込む、③試算表欄と修正記入欄を横に足し引きして、収益・費用の科目は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産の科目は貸借対照表欄へ書き写す。この3ステップを終えると、貸借対照表欄の借方合計と貸方合計が一致し、損益計算書欄では収益と費用の差額として当期純利益(または純損失)が計算されます。

なぜ家計にも精算表の考え方が役立つのか

家計の場合、試算表の数字をそのまま「今月の資産・負債」として使ってしまいがちです。しかし実際には、車のような固定資産は毎月少しずつ価値が減っていますし(減価償却)、年払いの保険料は先に全額を支払っていても本当はその月の分だけが費用のはずです(前払費用)。こうした調整を反映しないまま試算表の数字をB/S・P/Lとして扱うと、資産を実態より多く計上したままにしてしまったり、費用が特定の月に偏って計上されたりして、家計の状態を正しく表せません。

精算表は、こうした決算整理仕訳を「どの科目に」「いくら」加減算するのかを修正記入欄に書き出し、その調整が試算表欄からB/S欄・P/L欄へどうつながっていくのかを1枚で見渡せるようにする表です。決算整理の全体像を把握するための地図のようなものだと考えると理解しやすくなります。

家庭の取引で精算表を作ってみる

ある家庭の3月末(決算日)時点の試算表の一部と、そこに必要な決算整理仕訳を例に、精算表の修正記入欄がどう埋まるかを見てみましょう。

決算整理1:車(取得価額120万円、耐用年数6年、残存価額0円)の減価償却費を計上する

定額法で計算すると、1年分の減価償却費は120万円 ÷ 6年 = 20万円です。減価償却の考え方にもとづき、費用の増加と資産の減少を仕訳します。

借方金額貸方金額
減価償却費200,000円車両(減価償却累計額)200,000円

決算整理2:4月に1年分36,000円で契約した自動車保険のうち、翌期分(4月〜翌3月のうち今期に含まれない分)を前払費用に振り替える

前払費用の考え方で、まだ役務提供を受けていない分を資産として繰り延べます。ここでは翌期分9,000円が前払費用に該当するとします。

借方金額貸方金額
前払費用9,000円保険料9,000円

決算整理3:3月分の水道光熱費6,000円が、検針・請求のタイミングの関係でまだ引き落とされていない

未払費用の考え方で、支払いはまだでも当期の費用として計上します。

借方金額貸方金額
水道光熱費6,000円未払費用6,000円

これらを精算表の修正記入欄に書き込み、試算表欄の金額と横に足し引きすると、次のように各科目の行き先が決まります。

科目試算表欄修正記入欄行き先
車両1,200,000円(借)−200,000円(貸)貸借対照表欄(借方1,000,000円)
減価償却費0円+200,000円(借)損益計算書欄(借方200,000円)
保険料36,000円(借)−9,000円(貸)損益計算書欄(借方27,000円)
前払費用0円+9,000円(借)貸借対照表欄(借方9,000円)
水道光熱費60,000円(借)+6,000円(借)損益計算書欄(借方66,000円)
未払費用0円+6,000円(貸)貸借対照表欄(貸方6,000円)

試算表の段階では見えていなかった「減価償却費」「前払費用」「未払費用」という科目が、修正記入欄を経由することで損益計算書欄・貸借対照表欄に正しく反映されているのがわかります。こうして完成した損益計算書欄・貸借対照表欄の数字が、そのままその期のP/L・B/Sになります。

ここまでの内容を、実際にBokiBookで仕訳してみましょう。

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簿記3級の試験や紙の帳簿では、決算のたびに試算表を作り、決算整理仕訳を考え、精算表の8つの欄に手作業で数字を書き写していく必要があります。BokiBookでは、この一連の流れを決算整理・自動決算機能がまとめて代行します。固定資産台帳に登録した車や家電の減価償却費は自動で計上され、収益・費用の勘定は自動で損益に振り替えられ、決算後の仕訳はロックされて過去の記録が書き換わらないよう守られます。

決算整理が終わったあとの資産・負債の状態や、1年間の収益・費用の内訳は、貸借対照表・損益計算書レポートの見方の記事で紹介している画面からいつでも確認できます。精算表という「決算のプロセスを手で追う表」を自分で作らなくても、その結果であるB/S・P/Lだけをいつも正しい状態で見られる、というのがBokiBookの決算整理機能の役割です。